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チームだし自慢

長岡市と新潟市の「のっぺ」

長岡市中之島在住、新潟市中央区出身の松井知子さんに、長岡市と新潟市の2種類の「のっぺ」を作っていただきました。※今回の調査では長岡市は「チーム大根&別称」に分類されましたが、松井さんの「のっぺ」はともに貝柱を使った「チームだし自慢」に入るため、こちらで紹介させていただきます。

松井知子さんは「越後えご保存会」メンバーで、長岡市長町の「茶処 長町天屋」でえごねりなどの郷土料理を提供している

[長岡版のっぺ]

のっぺは年夜(大晦日)から食べ始め、正月中ずっと食べる、年末年始のごちそう。

松井さんが知り合いの栄養士さんに聞いたところでは、長岡ののっぺは地域差が大きくてさまざまですが、本来、鶏肉は入れないようです。しかし、学校給食では栄養を考えてなのか、鶏肉を入れていたとのこと。そのため今は鶏肉を入れる家庭が多いそうです。

●材料

里芋、ニンジン、白こんにゃく、かまぼこ、ゴボウ、レンコン、きぬさや、銀杏、鶏肉

長岡市でも与板地区ではさつま揚げや焼き豆腐を入れる家庭もある。

●ダシ

貝柱、干し椎茸(戻し汁) ※ダシに使う貝柱と干し椎茸は具としても使う

●調味料

濃口醤油、酒、みりん

左が〈長岡版〉で使用した濃口醤油、右は〈新潟版〉で使用した淡口醤油

●切り方

乱切り ※同時に煮上がるよう、材料ごとに大きさを変えて切る

●作り方

 こんにゃくはアク抜きしておく。煮汁を作って鍋に入れ、全ての材料をいっしょに入れてざっくり混ぜ、煮ていく。途中で手を加えると煮崩れるので、煮始めたらいじらない。貝柱は鍋の中で軽くほぐす。器に盛り、銀杏、きぬさやを上に飾る。

●提供の仕方

 温かくして出す

松井家の長岡版「のっぺ」

[新潟版のっぺ]

新潟市中央区の下(しも)育ちの松井さん。鮮魚店だったご実家で作っていた港町新潟の「のっぺ」を作っていただきました。

●材料

里芋、ニンジン、白こんにゃく、かまぼこ、タケノコ、レンコン、きぬさや、銀杏、塩鮭、とと豆(いくら)

とと豆は、いくらを塩水で軽くゆでて、冷水にさらして作る

●ダシ

貝柱、干し椎茸(戻し汁) ※ダシに使う貝柱と干し椎茸は具としても使う

●調味料

淡口(うすくち)醤油、酒、みりん

●切り方

 短冊切り ※同じように煮上がるよう、材料ごとに大きさを変えて切る。

●作り方

塩鮭はさっと湯引きし、生臭さを消す。こんにゃくはアク抜きしておく。煮汁を作って鍋に入れ、全ての材料をいっしょに入れてざっくり混ぜ、煮ていく。途中で手を加えると煮崩れるので、煮始めたらいじらない。器に盛り、銀杏、きぬさや、とと豆を上に飾る。

松井さんのご実家の新潟版「のっぺ」

●提供の仕方

冷たいものを出す

松井知子さん(左)とともに調理してくださった古川絹子さん(中)と中川美由紀さん(右)。皆さん新潟県食生活改善推進委員(ヘルスメイト)の長岡支部で食育活動に取り組んでいる

長岡市三島地区在住の中川さん(右)は地元の小学校の総合学習で郷土料理のストーリーを伝えている

「のっぺは郷土料理であり、その土地の風土で生まれてきたもの。温暖化でのっぺに使う食材が次々と採れなくなってきたらどうしましょう。材料も変わってくるかもしれませんね」と松井さんは心配します。大切な郷土料理であるのっぺを未来へつないでいきたいという強い思いが、その根底にあります。

2種類の「のっぺ」と松井さんお手製の長岡の郷土料理「醤油赤飯」

                             取材・文:岩村文雄 撮影:高橋朋子 2024年12月

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