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里芋ものがたり

新潟県で栽培されている里芋の種類

新潟の「のっぺ」を語るには、まずその材料を知らなければならない……。新潟県内でもさまざまな「のっぺ」が存在しますが、絶対外せない主役が里芋。地元ではどんな里芋を、どのようなこだわりをもって作っているのかをご紹介。なお、のっぺには、どの里芋が重用されるのか、のっペの味に、いかほどの違いが出るのかなどは目下調査進行中。

そもそも里芋とは? 

里芋はインド南部やマレー半島が原産地。栽培には大量の水と栄養分が必要で、連作障害を避けるために毎年栽培地を変え手間をかけて生産されます。

ちなみに、ヒンディー語で里芋のことを「アルビ」と言うのだそうです。新潟と里芋とのご縁を感じますね。

今回は新潟の里芋の種類(品種やブランド)についてご紹介します。その前に全農にいがた野菜果実課にお聞きした新潟県の里芋事情をご紹介します。

・JAを通じて出荷される青果物を対象に毎年実施している生産登録(出荷計画)の令和6年度の取りまとめ結果では、ほとんどの産地で「大和早生」が登録されており、JA佐渡のみ「土垂」の登録があった。

・里芋は年末の需要に向けて12月の出荷割合が最も高く、令和5年度は26%、約360t。

・JAを通して出荷される里芋に限れば、栽培が盛んな地域は五泉市、新発田市、長岡市、新潟市秋葉区など。

 

(1)帛乙女(きぬおとめ) 生産地:五泉市

昭和40年代以降、米の減反から作付けを増やす。1989(平成元)年、ネーミングを一般公募で「帛乙女」の名称に。

特徴:色白く、なめらかな食感と程よいぬめり、やわらかさ、形は丸さを追求。

土壌:砂地と粘土質の混合  出荷先:県内全域、県外(岩手、宮城など)

(2)砂里芋(さりいも) 生産地:聖籠町、新発田市

栽培に水を大量に必要とする里芋だが、果樹生産で砂地でも給水設備が完備されていたこと、県外のバイヤーから土臭くない里芋が欲しいと依頼され本格的に生産。2013年に砂里芋を登録商標する。

特徴:ねっとりとした甘み、柔らかいが弾力は保たれる。

土壌:砂地    出荷先:県外が9割、地元1割

(3)つばさ 生産地:新発田市菅谷地区

何十年か前に福島県相馬市から嫁入りした女性がこの芋を伝える。美味しい芋として自家栽培自家消費がほとんどだったが2020年に地元女性生産者の声掛けもあり、ブランド化した。出荷時の名前は「餅っちり芋(もっちりいも)」。ちなみに、「つばさ」は、もともと千葉から福島へやってきた品種だったため、「千葉産」と聞いた菅谷の人が「つばさん」と発音したことから「つばさん」→「つばさ」となったのでは、とは地元の方々の説。

特徴:形は海老芋型で濃厚、クリーミー

土壌:粘土質                  出荷先:東京方面(菅谷の直売所でも販売)

(4)八幡いも 生産地:佐渡市八幡地区

江戸時代、佐渡奉行所に納められたという古くからの芋。真野湾に面し風が強い砂丘地を奉行所が防砂林を作り保護しのちに畑地になった。

特徴:形は通常のものよりやや細長い、ねっとり感が強い

土壌:砂地                   出荷先:佐渡島内

(5)その他

いのいも 魚沼市広神地区     岩沢いも 村上市朝日地区

2024年12月:取材 南加乃子

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