解説
蜃気楼があらわれ、ほたるいかが群遊する富山湾は地元の人たちの魚溜め。立山から発する水が開いた平野は富山の人たちの米びつ。生きのいい魚と米と水がつくる富山の食。
目次
砺波散居村の食-盛り切り一杯の飯を補う里のだごと野菜のよごし
Ⅰ 四季の食生活
1 冬-わら仕事と屋根雪下ろしなどに精を出す
2 春-雪解けの南風を待って農作業
3 夏-雷と日照りのなかで農作業
4 秋-二百十日の風に耐え、収穫の喜びに浸る
Ⅱ 基本食の加工と料理
1 基本食の成り立ちと料理の手法
2 米
3 大麦、小麦<利用のしくみ>
4 里芋
5 大豆、小豆
Ⅲ 季節素材の利用法
1 野菜<利用のしくみ>
2 魚<利用のしくみ>
3 果物など
Ⅳ 伝承される味覚
1 調味料
2 漬物
Ⅴ 砺波散居村の食、自然、農業
五箇山の食-合掌づくりの里で待ちわびる春祭りの熊汁や山菜煮しめ
Ⅰ 四季の食生活
1 冬-合掌づくりの家で紙をすきつつ春を待つ
2 春-雪解けとともに農作業の準備
3 夏-養蚕と農作業で汗を流す
4 秋-とり入れの喜びとともに、急がれる冬じたく
Ⅱ 基本食の加工と料理
1 基本食の成り立ちと料理の手法
2 米
3 またひえ
4 きび
5 そば、あわ
6 豆類
7 ぽぷら、いも類、となわ
Ⅲ 季節素材の利用法
1 山菜、きのこ
2 野菜
3 川と海の魚、海草
4 山の鳥獣の肉
5 木の実、果物
Ⅳ 伝承される味覚
1 味噌、たまり、調味料
2 漬物
3 魚の保存食
Ⅴ 五箇山の食、自然、農・林業
氷見灘浦の食-空に雷、太鼓をたたきゃ、山はあられに海はぶり
Ⅰ 四季の食生活
1 冬-雷鳴とどろく大海原にいどむぶり漁
2 春-いわしが豊漁、山菜とりに春田打ち
3 夏-半向人と三歩で野良仕事に精を出す
4 秋-ぶり網の準備と稲刈り
Ⅱ 基本食の加工と料理
1 基本食の成り立ちと料理の手法
2 米
3 大麦
4 大豆、小豆など
5 いも類、かぼちゃ
Ⅲ 季節素材の利用法
1 海の魚貝類
2 海草<利用のしくみ>
3 野山の動物と淡水の魚貝
4 野菜<利用のしくみ>
5 山菜、野草、こけ<利用のしくみ>
6 木の実など
Ⅳ 伝承される味覚
1 調味料
2 いろいろな漬物
Ⅴ 氷見灘浦の食、自然、農・漁業
富山周辺の食-米どころの色とりどりの晴れのもち
Ⅰ 四季の食生活
1 冬-ごまんさんから雪解けまで、庭でわら仕事
2 春-あぜ塗りにはじまり、「やすごと」を楽しみに野良仕事
3 夏-豊富な野菜を存分に食べる
4 秋-収穫の喜びにひたり、ほんこさまを
Ⅱ 基本食の加工と料理
1 基本食の成り立ちと料理の手法
2 米
3 麦類
4 豆類
Ⅲ 季節素材の利用法
1 野菜
2 果実類
3 海の魚、川の魚
Ⅳ 伝承される味覚
1 味噌、調味料、だし
2 漬物
Ⅴ 富山周辺の食、自然、農業
新川魚津の食-とれたとき一度に食べる「漁師のいっこみ所帯」
Ⅰ 四季の食生活
1 冬-荒れ海が呼ぶぶりの群れ、男は出漁、女は浜で網引き
2 春-魚群を求めて持ち船をくり出す
3 夏-提灯の帆をあげ、たてもん祭りで
4 秋-浜に揺れる干ものの列、干し大根
Ⅱ 基本食の加工と料理
1 基本食の成り立ちと料理の手法
2 米<利用のしくみ>
3 いも類
4 豆類とその加工品
Ⅲ 季節素材の利用法
1 野菜、山菜<利用のしくみ>
2 魚
3 貝、海草
Ⅳ 伝承される味覚
1 味噌
2 漬物
3 甘酒、酒
4 醤油、その他の調味料
Ⅴ 新川魚津の食、自然、漁業
Ⅵ 新川<農村部>の食
1 冬-報恩講終えて雪囲いやわら仕事
2 春-春祭りからやす祭りまで
3 夏-おしょうらいさんを送って刈り入れ準備
4 秋-彼岸に入り日を拝んで豊作祈願
5 農村部の料理の手法
富山の宗教風土と食事-真宗門徒のお斎の膳と高岡国泰寺のたけのこ料理
Ⅰ 真宗のお講と食べもの
Ⅱ 高岡国泰寺のたけのこ料理
Ⅲ 「ぼっけはん」と高岡鋳物
立山の山小屋の食事-雪渓の水で炊く飯に、たてやまあざみやうさぎの菜
1 立山と登山
2 山小屋の食事
米騒動と女房たち-一日一升買いの米が命の綱。米価高騰を制した女房たちの連帯の記録
1 今も健在、「米騒動」の体験者
2 大正三年、十九歳で女房に
3 米は毎日、一升ずつ買う
4 どんどん上がった米の値段
5 発祥の地は「水橋」「魚津」「滑川」
6 「担いでいる米俵につながって落としました」
7 大商店へ押しかける
8 女房ゆえの強さ
9 「女一揆」の底にあるもの
人の一生と食べもの
1 人生儀礼と食
2 救荒食
3 薬効のある食べもの
富山の食とその背景
1 日本のなかの富山
2 県の地域区分とその指標
3 食を支える自然と農・漁業 |